秋〜冬にガーデニングショップへ行くと並ぶ「バラの大苗」。
葉も花も付いていないため、一見すると「本当に咲くの?」と不安になりますよね。
しかし、大苗は 生産者が畑で1年以上育て、しっかり根と枝を作り上げた“完成度の高い苗”です。
実は、新苗よりも失敗しにくく、バラ初心者にこそおすすめの育て方です。
この記事では、大苗の特徴、選ぶときの必須ポイント、育て方のコツまでまとめて解説します。
「大苗を買うのは初めて」という方でも、自信をもって春の開花を楽しめます。
大苗ってなに?
バラの大苗は、秋〜冬に販売される休眠期のバラ苗のこと。
生産者が畑でしっかり根張りさせ、落葉後に枝を剪定し整えたうえで出荷されます。
大苗の特徴
- 根がよく張っており、成長力が高い
- 1年苗の新苗よりも強健で、開花に近い状態
- 生産者が枝の構造を整えてくれているため、初心者向き
「根の強さ」と「春に咲く準備」が整った状態の苗です。

大苗を選ぶメリット
新苗より育てやすい(失敗しにくい)
新苗は春に出回る“赤ちゃん苗”で、
ピンチ・病害虫管理・夏越しなど細かい作業が多いのが難点。
一方、大苗は休眠期に入っているため手間が少なく、
春にはしっかり花を咲かせてくれる確率が高い苗です。
以前に購入したバラの大苗「岳の夢」は、定植後ほぼ手間いらずで春に見事な花を咲かせました。



欲しい品種が見つかりやすい
人気品種は春の新苗がすぐに売り切れますが、
大苗は比較的流通量が多いため、入手しやすい傾向があります。
鉢苗よりは手頃な価格で買える
花付きの鉢苗は高価ですが、大苗は花がない分、価格は控えめ。
年明けのセールになれば、人気品種を手頃に買えることもあります。
大苗のデメリット
開花した花を見て選べない
休眠期なので花色・花形は写真で判断するしかありません。
ただし、品種差が極端にぶれるわけではなく、「思っていたよりかわいい!」というケースも多いです。
新苗に比べると値段がやや高い
畑での長期育成・剪定・掘り上げ作業など、
生産者の手間が多いため価格は新苗より高めです。
大苗を選ぶ時のポイント
枝の切り口の中心に“白い芯(髄)”があるか
→ これは健全な枝である証拠。春に花を咲かせる力が強い。
太く充実した枝が2本以上あるか
→ 開花力が高く、樹形が作りやすい。
接ぎ木部分がしっかりしている
→ グラつきはNG。根が弱い可能性あり。
根頭が乾燥しすぎていないか
→ 乾きすぎは弱りのサイン。

大苗を育てる時のポイント
植え替え
バラの植え替えに適しているのは基本的に休眠期です。
とはいえ、大苗は生産者→販売店→購入者と目まぐるしく環境が変わっています。そのため、株に負担の大きい植え替えは避けて、環境に適応させ根をしっかり張らせることを優先させましょう。
植え替えは1番花が開花した後の6月頃に行うのが良いです。慌てずにしっかり環境に適応させてから植え替えをしてあげましょう。
水やり
大苗は休眠期にありますので、水やりは控えめに行います。
2月下旬の新芽が出始める季節までは2週間に1回程度で充分です。水を頻繁に与えすぎると根腐れを起こす恐れがあるので注意しましょう。
肥料
肥料やりも水やりと同様、休眠期のため控えめにします。
1月に入ると根が動き出すので、バラ用の肥料を使って寒肥をします。寒肥は春からの生育の礎となります。土の栄養分を補充する役割のほか、微生物を活性化させて土壌環境をリセットする効果もあります。寒肥は忘れずに施しましょう。
寒さ対策
バラは丈夫なのでちょっとやそっとの寒さには負けません。ただ、強い霜にあたると弱る場合があります。
寒さの厳しい日には霜の当たらない軒下などで管理すると安心です。
まとめ
バラの大苗は「葉も花もない苗」でありながら、
実は初心者にも扱いやすい“完成された苗”です。
- 欲しい品種が選びやすい
- 成長力が高く失敗しにくい
- 春には美しい花を楽しめる
大苗の特性を理解して選べば、春の開花はほぼ約束されたもの。
今年は大苗から、あなたの庭にすてきなバラを迎えてみませんか?



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