冬から早春にかけて、花壇が一気に寂しくなる季節。
そんな時期に ひときわ鮮やかな彩りを添えてくれる救世主 が「プリムラ」です。
園芸店では秋〜冬にかけて苗が出回り、春まで長く花を楽しめることから、パンジー・ビオラと並ぶ 冬の定番花として高い人気を集めています。

この記事では、
- プリムラの特徴
- 人気の種類(ポリアンサ/ジュリアン/マラコイデス ほか)
- 花言葉
- 育て方のポイント(冬越し・夏越し含む)
- 寄せ植えの相性
を、初めてでも失敗しないようにわかりやすく解説します。
冬の花壇を華やかにしたい方、プリムラの育て方で悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
プリムラはこんなお花
プリムラの基本情報
- 科・属:サクラソウ科サクラソウ属
- 原産地:ヨーロッパ・アジア
- 学名:Primula
- 開花期:11月〜4月(種類により5月頃まで咲く)
- 分類:多年草(日本では多くが一年草扱い)

学名 Primula は、ラテン語の「primos=最初の」が語源。
その名の通り、春の訪れを誰よりも早く知らせてくれる植物です。
プリムラの花言葉
- 青春のはじまりと悲しみ
- 青春の恋
「寒い季節に咲き、夏を迎える前に姿を消す」という儚い生態が、
青春の切なさと重ね合わせられています。
プリムラの特徴
種類がとにかく豊富
プリムラは園芸品種の幅が非常に広く、
- ポリアンサ
- ジュリアン
- マラコイデス
- オブコニカ
- シネンシスなど、多彩な種が存在します。
花色はビビッドカラー、アンティークカラー、バイカラーまで揃い、花形も一重・八重・バラ咲きなど変化が豊富です。
寒さに強く、冬のガーデニングに最適
多くのプリムラは耐寒性が高く、冬でも傷みにくい品種が多いのが特徴。
本格的に花が増えるのは春ですが、冬も葉がしっかりと生育します。
暑さには弱く、日本では一年草扱いが基本
プリムラは本来多年草ですが、日本の高温多湿は苦手 で、夏越しの難易度が高いため一年草扱いとされています。
香りのよい品種もある
ポリアンサ系の一部にはやさしい香りをもつ品種があり、寄せ植えに使うと魅力がグッと上がります。
プリムラの種類
プリムラは種類も豊富です。定番のプリムラ・ポリアンサやプリムラ・ジュリアン以外にも多くの園芸品種があります。
プリムラ・ポリアンサ
ヨーロッパ原産のプリムラの交雑によって育成された品種です。近年、最もポピュラーなジュリアンはポリアンサと他品種の交配によりできたプリムラです。ポリアンサはジュリアンと比べて花弁に厚みがあるという特徴があります。

プリムラ・ジュリアン
近年、最もポピュラーなのがプリムラ・ジュリアンです。プリムラ・ポリアンサとコーカサス地方のプリムラを交配して1970年代にできたプリムラです。品種改良で区別が曖昧になり、大きな品種をポリアンサ、小さな品種をジュリアンと呼ぶのが一般的になっています。

プリムラ・マラコイデス
マラコイデスは中国原産の一年草タイプのプリムラです。株全体に白い粉がつくのが特徴で、ケショウザクラとも呼ばれます。こぼれ種でも育ちます。ポリアンサやジュリアンと比べて優しい雰囲気を醸し出します。
耐寒性はジュリアンほど強くはありません。

プリムラ・シネンシス
シネンシスは中国原産の多年草です。桜のような花弁が特徴的で別名カンザクラとも呼ばれています。
半日陰の環境を好むため、1日中日のあたる場所でなくても良く育ちます。

プリムラ・オブコニカ
中国原産のプリムラで和名はトキワザクラです。
大輪の花を咲かせる美しい品種ですが、ひどいかぶれを引き起こすプリミンという物質を含むので取り扱いには注意が必要です。近年は品種改良によってプリミンがほとんどない品種も販売され安全に育てられます。

プリムラの育て方
続いて、プリムラの育て方をご紹介します。ここでは日本で馴染みの深いポリアンサとジュリアンの育て方に絞ってご紹介します。
栽培環境
プリムラは基本的に日当たりの良い環境を好みます。なるべく多く日のあたる環境で育てます。
植え付け
適期
植え付けの適期は寒さが厳しくなる前の10月〜12月です。厳しい冬に入る前に根をしっかり張らせます。
用土
プリムラは水はけの良い土を好みます。市販の培養土に腐葉土と赤玉土を3割程度混ぜると簡単に水はけが良くなるのでおすすめです。


水やり
水やりは土が乾いたらたっぷりとが大原則です。花を傷つけないように丁寧に株元から水やりをします。開花期は水切れすると花がすぐ萎れるので水切れにも注意が必要です。
地植えの場合は、植え付けて根が張るまでの1〜2週間は水やりをします。その後は特に水やりは必要なく自然の雨に任せて問題ありません。
肥料
10月から4月の生育期は緩効性肥料を施します。
また、花がたくさん咲く時期は液体肥料を与えると開花のパフォーマンスが向上します。
花がら摘み
きれいな花姿を維持するにはこまめな花がら摘みが必要です。花が終わったら株元から花茎を切り取ります。
花がらをそのままにすると余計なエネルギーを使い花つきが悪くなりますし、病害虫の原因にもなります。可能な限り花がらは摘みましょう。
冬越し
プリムラは寒さに強いため、屋外で冬越しも可能です。ただ、強い霜や寒風にあたると弱ります。冬も元気に育てるには強い霜や寒風への対策が必要です。
夏越し
プリムラは高温多湿に弱いので、屋外での夏越しは難しいです。
夏越しをするためには、風通しの良い半日陰や屋内で管理します。秋に入り涼しなったら日当たりの良い場所に移動させます。

プリムラの寄せ植え
プリムラは草丈も花色もバリエーションが豊富で、冬の寒さに強いので冬の寄せ植え作りにはぴったりです。
寒さに強いパンジー・ビオラや葉牡丹に加え、寄せ植えに躍動感を加える白竜やプラチーナなどと組み合わせるとステキな寄せ植えになります。
ポリアンサの大輪で華やかに、ジュリアンの小花で可愛らしく――
イメージに合わせてデザインを楽しめます。


まとめ
プリムラは、冬の寂しい花壇を一気に華やかにしてくれる頼もしい存在。
種類が豊富で、花色も形も幅広く、育て方も難しくないため初心者にも育てやすい植物です。
パンジー・ビオラと並ぶ 秋冬ガーデニングの主役 として、ぜひプリムラを取り入れてみてください。




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