春から秋まで長く咲き続けるペチュニアやカリブラコアは、園芸でも非常に人気のある花です。しかし寒さが苦手なため、日本では一年草扱いが一般的。
大切に育てた株をそのまま冬に枯らしてしまうのは、どこか寂しいものですよね。
そんな時におすすめなのが、挿し芽での冬越し。
元株の消耗を抑えつつ、フレッシュで元気な株を翌春に育てられる、とても合理的な方法です。
この記事では、秋の挿し芽→室内越冬→春の植え付けまで、失敗を防ぐコツを詳しく紹介します。
挿し芽で冬越しする方法|初心者でも成功率が高い
1.新芽をカット|秋の気温が下がる前
秋が深まりすぎない9月下旬〜10月中旬頃が適期です。
気温が下がりすぎると根が出るスピードが遅くなります。ただそんなに神経質にならなくてもOK。
新芽をカットする方法は、
- 元気な新芽を7〜10cmほどカット(水を吸いやすくするために斜めにカットするのがポイント!)
- 花芽は必ず除去(花があると花に余計なエネルギーが使われて発根しづらい)
- 葉も上部2枚ほど残して他は切り落とす(葉が多いと蒸散の原因となる)


2.切り口を水に浸す|1時間程度で十分
カットした挿し穂の切り口を水に1時間程度つけます。しっかりと水を吸わせておくことで水切れで萎れる可能性を下げることができます。

メネデールなどの活力剤を使用すると成功率がさらに高くなりますが、必須なわけではありません。
成功率を高めたい方は使用してみてください。
3.赤玉土や鹿沼土に植える|とにかく清潔が大事
水につけた後の差し穂を赤玉土や鹿沼土など清潔な用土に植えます。清潔で雑菌が少ない用度が成功率を大きく左右します。
植える時は切り口を傷つけないように丁寧に植えてあげましょう。割り箸などで穴をあけてから挿すと茎が折れにくいです。

4.水切れを起こさないよう水やり
屋内の明るい日陰で管理してあげます。あとは水切れを起こさないように定期的に水やりをするだけです。
挿し芽で最も多い失敗は「水きれ」です。
挿し芽は小さいので水分ストックが少なく、軽く湿った状態を保つのがポイントです。
屋内管理のコツ
- 乾燥しやすいため直射日光には充てない
- 明るい窓辺やレース越しの光が最適
- 5℃から10℃で越冬が安定。できれば5℃以上は確保したい
春が近づくとうっかりお花を咲かせる挿し芽もあります。お花を咲かせるとエネルギーを使ってしまうので、咲く前にカットしてあげましょう。

5.春になったら植え付け
3月下旬から4月頃、根がしっかり伸びてきたら赤玉土や鹿沼土から抜き出し土に植えるタイミングです。
急に1日中陽の当たる場所に置くと、驚いて萎れてしまう恐れがあります。まずは半日陰で管理して、慣れてきたらたっぷり陽の当たる場所で育てましょう。
挿し芽で冬越しするメリット
成功率が高い
屋外で鉢ごと冬越しするよりも、挿し芽の冬越しは成功率が高いです。
管理方法もとっても簡単。水切れしないように定期的に水やりをするだけです。
フレッシュ株で翌年の花つきが良い
挿し芽をせずにそのまま屋内で冬越しさせると、寒さや乾燥で株が消耗して翌年に花つきが悪くなりがちです。
挿し芽で冬越しをすれば株は小さくなるもののリフレッシュされます。そのため、翌年にきれいなお花を咲かせやすくなります。これも大きなメリットです。
省スペースで冬越し可能
鉢のまま冬越しをしようとすると、多くのスペースを必要とします。
一方、挿し芽であれば省スペースで冬越しすることができます。気軽に挑戦できるのも挿し芽で冬越しをするメリットです。
差し芽で冬越しするデメリット
屋内に保管場所が必要
屋内に保管場所を用意しなくてはならないのは挿し芽で冬越しをするデメリットです。鉢のまま冬越しするよりかはスペースは省けますが、それでも一定のスペースは必要になります。
挿し芽で冬越しする注意点
種苗法に基づく登録品種については知的財産権(育成者権)として保護されています。また、出願品種についても仮保護の対象となっており、これらを育成者の許諾なしに業として利用(増殖、譲渡、輸出入など)する行為は、損害賠償、刑事罰の対象となる場合があります。
挿し芽で増やしたり、冬越ししたりして販売等すると、種苗法に違反することになります。
挿し芽はあくまで「個人の楽しみの範囲」で行いましょう。
まとめ
ペチュニアやカリブラコアを翌年も楽しみたいなら、挿し芽による冬越しは非常におすすめです。
コツさえ押さえれば初心者でも成功率は高く、翌春に元気いっぱいの花を楽しめます。
寒さに弱いこれらの植物も、ちょっとした工夫で立派に越冬できます。
ぜひこの記事を参考に、気軽に挑戦してみてください。



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