ガーデニングを始めるとよく聞く「多年草」「一年草」「宿根草」「球根植物」。
名前は知っていても、「何年咲くの?」「植えっぱなしでいいの?」「宿根草と球根って何が違うの?」と迷う人はとても多いものです。
この記事では、それぞれの植物の特徴・寿命・メリット/デメリット・冬の過ごし方をまとめて比較し、
どの植物があなたの庭に向いているのかがすぐにわかるように、分かりやすく解説します。
一年草とは?
定義
種をまいてから開花・結実し、1年以内で一生を終える植物。
特徴
- 成長が早く、初心者でも扱いやすい
- 花色・花形が豊富で季節の彩りをつくりやすい
- 花期が長い種類が多い
メリット
- 植えてすぐ花が楽しめる
- とても華やかで寄せ植えに向く
- 季節感を出しやすい
デメリット
- 1シーズンで終わるため毎年購入が必要
- 夏や冬を越すことは基本的にできない(例外はある)
代表的な一年草
パンジー・ビオラ、マリーゴールド、コスモス、ペチュニア、インパチェンス など

多年草
定義
同じ株が2年以上生き続ける植物の総称。
冬に地上部が枯れるものと、常緑のまま越冬するものの両方を含む。
特徴
- 植えっぱなしで毎年楽しめる種類が多い
- 年々株が大きくなるものも多く、庭の骨格づくりに向く
- 種類によって姿が大きく異なる(常緑・落葉・冬枯れ)
メリット
- 1度植えると管理の手間が少ない
- コストパフォーマンスが良い
- 年々の成長が楽しめる
デメリット
- 1年目は花が少ない種類もある
- 冬に地上部が枯れると枯死と勘違いしやすい
- 株の蒸れ・老化で形が乱れることがある
代表的な多年草
ラベンダー、ホスタ、ガウラ、エキナセア、サルビア・ネモローサ など。

宿根草
定義
冬に地上部が枯れて、根(地下部)が生き残り、翌年また芽吹く多年草の一種。
多年草との違い
- 多年草の中に含まれるカテゴリー
- 落葉タイプの多年草=宿根草
- 「冬に姿が消えるが、翌年復活する」のが最大の特徴
特徴
- 冬に地上部が枯れるため省スペース
- 放任でも毎年咲くものが多い
- 成長が穏やかで自然な庭づくりに向く
代表的な宿根草
カンパニュラ、ルドベキア、アガパンサス、クリスマスローズ、リクニス など
球根植物
定義
地下に栄養を蓄える「球根」を持ち、その球根を中心に成長・開花する植物。
チューリップやスイセンのように 「地上部は枯れても、球根は生きて翌年また芽を出す」のが特徴。
※「球根植物」と「宿根草」は同じではありません。球根植物は“地下に球根を持つ植物”という別の分類。
特徴
- 成長サイクルがはっきりしており、季節を感じやすい
- 一度植えれば毎年咲く種類も多い
- 増える速度が速い種類もある(分球)
メリット
- 花姿が華やかで種類が豊富
- 寒さに強い種類が多く、冬でも植えやすい
- 増やして楽しめる種類が多い
デメリット
- 球根を太らせないと翌年咲かないことがある
- 高温多湿に弱い種類もある
- 掘り上げが必要な品種がある
代表的な球根植物
チューリップ、スイセン、ヒヤシンス、クロッカス、アネモネ、ダリア など
(ダリアは「球根を持つ多年草」)

4つの分類の一覧
| 種類 | 寿命 | 冬の姿 | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|
| 一年草 | 1シーズンで終了 | 多くは枯れる | 華やか・花期が長い | 季節ごとにデザインしたい |
| 多年草 | 2年以上生育 | 種類により常緑/冬枯れ | 手間が少ない・毎年楽しめる | 長期的に庭を作りたい |
| 宿根草 | 多年草の一種 | 地上部が枯れて消えるが翌年復活 | 自然風の庭向き | ナチュラルガーデンが好きな人 |
| 球根植物 | 種類により多年草扱い | 地上部は枯れるが球根が残る | 花が華やか・増やせる | 春や秋に季節感を出した |
どれを選べばいい?(タイプ別のおすすめ)
「管理は最小限にしたい」
→ 多年草・宿根草・球根植物
(植えっぱなしで毎年咲く種類が多い)
「春や秋に一気に華やかにしたい」
→ 一年草
(即効性が高く、色のバリエーションも豊か)
「自然な雰囲気の庭にしたい」
→ 宿根草
(年々ゆっくり広がり、景色になじむ)
「季節の喜びを感じたい」
→ 球根植物
(春の芽吹きは格別)
まとめ
“一年草・多年草・宿根草・球根植物”
それぞれに違いがあり、得意な場面も異なります。
- 一年草は季節の彩りを一気に与え、
- 多年草は庭のベースをつくり、
- 宿根草は春の復活が楽しみで、
- 球根植物は季節のワクワクをくれる存在。
目的に合わせて組み合わせれば、
手をかけすぎずに、長く愛せる庭が育っていきます。



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