初夏の庭を鮮やかに彩る紫陽花(アジサイ)。
「もっと株を増やしたい」「お気に入りの品種を残したい」
そんなときに最も確実な方法が 挿し木(挿し芽) です。
紫陽花は、花木の中でも挿し木の成功率が非常に高く、
コツさえつかめば ほぼ100%に近い確率で増やすことができます。
この記事では、プロの園芸家が実際に行う手順を軸に
“失敗しない挿し木のやり方” を画像つきで紹介します。

紫陽花の挿し木に必要なもの
園芸用ハサミ
枝をつぶさず、切り口を清潔に保つためには園芸用のハサミが必要です。
切り口が潰れると、発根しにくくなります。
普通のハサミでも問題ありませんが、園芸用ハサミのほうが圧倒的に使いやすいです。

挿し木用の土(鹿沼土や赤玉土など清潔な土)
鹿沼土や赤玉土など挿し木用の清潔な土を用意します。
培養土などに植えても成功することはありますが、
清潔な土を使うことで成功率がグンっとあがります。
小さめのポット
挿し木を育てるためのポットです。底に穴が空いていれば何でもオッケー。底が深すぎると挿し木に酸素が届かなくなるため、底が浅いものをおすすめします。
トレイ
ポットを置いておくためのトレイです。水受けとして使用します。底面給水すると挿し木の乾燥を防げます。
水やりの時に水が溢れなければ何でもオッケー。お好みのものを見つけて使用しましょう。
紫陽花の挿し木に最適な時期
紫陽花の挿し木に適した時期は花後の6月〜7月上旬頃がおすすめす。
- 湿度が高く乾きにくい
- 枝がまだ若く柔らかいことから発根力が強い
- 剪定とセットで行える

紫陽花の挿し木|失敗しない5ステップ
紫陽花の枝を先端から3~4節目の間カットします。「芽のすぐ上」で切るのがポイントです。

成功率が高い挿し木の条件
- 今年伸びた柔らかい枝(緑色)
- 病害虫の跡がない
- 芽がしっかり残っている
一番上の葉2枚以外は切りおとします。
また、残した2枚の葉が大きい場合には、蒸散を抑えるため葉を半分に切ります。下の写真を参考にしてください。



乾燥を防ぐため、挿し木する前に切り口を1時間程度水につけます。水を吸いやすくするために切り口は斜めにカットするのがポイントです。



鹿沼土や赤玉土など清潔な土を鉢に入れて、水を入れて湿らせておきます。
そこに枝が入るくらいの穴をあけて、挿し木を植えこみます。切り口を痛めないように、丁寧に挿してあげましょう。
割り箸などで穴を空けると作業はスムーズになります。

挿し木の管理方法
- 直射日光はNG
- 風通しの良い明るい日陰(レースカーテン越しの窓際などがおすすめ)
- 水切れ厳禁
鹿沼土から抜くと、切り口から発根しています。根っこを傷つけないように土へ埋めてあげましょう。

挿し木の実例を写真付きで紹介
7月
挿し木をしたばかりの紫陽花です。発根するまでは直射日光の当たらない屋内の明るい場所で育てます。水を切らさないように注意が必要です。

8月
発根した紫陽花は土に植えつけます。プランターに植えても、地植えでも大丈夫です。

1月
冬になると、通常の紫陽花と同様に葉を落とします。
枯れたわけではないので、心配しなくて大丈夫です。

4月
春の訪れとともに、冬の間に葉を落とした紫陽花の挿し木たちも葉を繁らせます。

6月
昨年お花を咲かせたなかった枝は、6月頃に開花します。

紫陽花の挿し木は成功率が高いことを頭に入れて、計画的に挿し木をしましょう。
まとめ
以上、紫陽花を挿し木で増やす方法についてご紹介しました。
紫陽花はとても強い植物なので、初心者でも簡単に挿し木で増やすことができます。お庭いっぱいの紫陽花を楽しみたい方は、ぜひ挑戦してみてください。




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