多年草は、一度植えると毎年楽しめる、ガーデニングの“頼れるベース”のような存在です。季節ごとに表情を変えながら、年々株が大きく育ち、庭に奥行きと安定感を生み出してくれます。
常緑タイプの多年草は、冬も葉が残り、花壇の骨格づくりにも最適です。
この記事では、多年草の基本・宿根草との違い・育て方から、初心者におすすめの常緑多年草まで、ガーデニング歴に関わらず役立つ情報をまとめました。
「これから庭を育てたい」
「手間を減らして美しい花壇を維持したい」
そんな方にはぜひ参考にしてください。
多年草ってどんな草花？
多年草とは？
多年草（たねんそう）は、2年以上にわたって生育を続ける植物の総称です。特徴として、葉や茎が地上に残るタイプが多く（残る・枯れるは種による）、毎年姿を変えながら同じ株が成長し続けます。
宿根草との違いは？
多年草 → “複数年生きる植物”という広い概念
宿根草 → “冬に地上部が枯れ、根だけで越冬する多年草”の一部
という関係です。
つまり、宿根草は多年草の一種。多年草には冬越しが得意な植物から少し寒さに弱い植物まで、幅広いタイプが含まれています。
多年草の特徴
毎年育つのでコスパが高い
植えっぱなしでも翌年また楽しめるため、ランニングコストが低いのが最大の魅力。花壇を安定した景観にしたい人には理想的です。
育てるほど株が立派になる
年を重ねるほど株が大きくなり、花数も増えていく傾向があります。
1年目より2年目、2年目より3年目と“育て甲斐”がある植物です。
形・性質・開花時期が幅広い
多年草には
- 花を楽しむタイプ
- 葉の模様を楽しむカラーリーフ
- グランドカバーなど多彩な性質があり、寄せ植え・地植えどちらにも使いやすいラインナップが揃っています。
冬の姿が植物によって大きく異なる
多年草の冬越し方法は大きく2種類。
- 地上部が枯れて根で越冬（＝宿根草タイプ）
- 地上部が残ったまま越冬（常緑タイプ）
冬の管理が植物ごとに違うため、育てる前に性質を確認することが大切です。
多年草の育て方（基本）
日当たり
多くの多年草は日当たりの良い場所を好むものが多いですが、半日陰で美しく育つ種類も多いです。
植える前にラベルの「日照条件」を必ずチェックしましょう。
土づくり
水はけ・通気性の良い土が基本。
植え替え時は、
- 市販の園芸培養土
- 赤玉土：腐葉土＝7：3など、ふかふかの土が最適です。
水やり
多年草は乾湿バランスが大切。
水を与えすぎると根腐れしやすく、少なすぎると生育が鈍ります。
地植えは根付いた後は自然雨でOKなものが多いです。
肥料
生育期（春～秋）は緩効性肥料を定期的に。
ただし与えすぎは徒長の原因になります。
冬の管理
多年草の冬越しは種類によって異なり、
- 宿根草タイプ → 切り戻して株元で越冬
- 常緑タイプ → 寒風が苦手なのでマルチング推奨と使い分けが必要です。
おすすめの多年草
最後に、我が家で育てているオススメの多年草をご紹介します。ここでは、宿根草や球根植物は除き、１年中枯れない常緑の多年草を紹介します。
ラベンダー
香りのよさとすらりとした花姿が魅力の常緑多年草。
種類が多く、気候に合う品種を選べば失敗が少ないのもポイントです。
花壇の中段に植えると、初夏に紫の穂が風にゆれて爽やかな雰囲気に。
アジュガ
横に広がる性質を持つ常緑多年草で、放っておいても花壇を美しく覆ってくれます。
グランドカバーとしても優秀で、雑草予防にも役立ちます。庭の隅や半日陰のスペースに植えると、手を入れなくても美しい絨毯になります。
ヒューケラ（ツボサンゴ）
ヒューケラは、季節を問わず葉が美しい多年草の代表格。
ライムグリーン、深赤、キャラメル、シルバーなど色幅が広く、年間を通して花壇に彩りを与えてくれます。
寄せ植えのベースにも、シェードガーデンにも、オールシーズン活躍します。
クリスマスローズ
真冬に咲く貴重な多年草。
“冬に花が少ない時期に咲く”という唯一無二の魅力があります。
玄関アプローチの半日陰に植えると、冬から春にかけて品のある花姿が長く楽しめます。
ガウラ
蝶が飛んでいるように揺れる花が魅力の多年草。
風に揺れる白花・桃花が魅力。長期間開花し花壇の主役になります。夏の過湿だけ避ければ“ほぼ放任”で楽しめます
ベロニカオックスフォードブルー
、春に咲く澄んだブルーの小花と、冬も残る緑葉のツヤ感が魅力の常緑多年草。
匍匐（ほふく）して広がり、1年目より2年目、3年目と密度が増していきます。
雑草抑制効果も高く、ローメンテナンス志向の庭にぴったり。
スーパーアリッサム
丈夫で生育旺盛なアリッサム。１年中大活躍してくれています。スーパーアリッサムは春や秋に花をたくさん咲かせます。夏や冬は見頃とはいえませんが、かわいい斑入りの葉を楽しめます。
寒さにはさほど強くないため、冬は霜除けなどの対策が必要です。ただ、多少寒さで弱っても暖かくなれば回復します。
よくあるQ&A
Q1：多年草は本当に毎年咲くの？
A：ほぼ毎年楽しめますが、株の寿命は植物ごとに異なります。
3～5年で更新が必要な種類もあります。
Q2：冬に枯れたけど大丈夫？
A：地上部が枯れる宿根草タイプなら問題ありません。
春に暖かくなると新芽があがってきます。
Q3：放置しても育つ？
A：強健な多年草は育ちますが、年1回の切り戻しや株分けをすると状態が維持できます。
Q4：多年草は鉢植えでも大丈夫？
A：問題ありません。
ただし根が詰まりやすいので1～2年に1回の植え替えを推奨します。
まとめ
多年草は、
- コスパよし
- 手間が少ない
- 長く育てるほど美しくなるというガーデニングの強い味方。
宿根草だけでなく常緑品種も含むため、花壇のベースを作りたい人や、長く植物と付き合いたい人にぴったりです。
種類がとても豊富なので、日当たり・土質・冬越し能力を基準に選べば、初心者でも失敗しにくく、安定した庭づくりが楽しめます。
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