Jリーグがスタートしたのは1993年。2022年はJリーグがスタートして30周年の節目の年です。Jリーグについて改めて考えるには良い機会ですね。
そこで今回は、Jリーグの目指す「Jリーグ百年構想」や「地域に根ざしたスポーツクラブ」という理念についてご紹介します。
Jリーグの楽しみ方は人それぞれ。いろいろな楽しみかたがあります。それでも、Jリーグの根幹となる考え方や理念については、みんなが理解しておくべきだと思います。
この記事を読んでJリーグの理念を理解し、Jリーグに興味を持ってくれたり、ますますJリーグが好きになってくれたらうれしいです。
それでは、よろしくお願いします♪
Jリーグの目指すもの Jリーグ100年構想
Jリーグは、サッカーを通してあらゆるスポーツを老若男女が楽しめる豊かな国をめざしたいという思いから「Jリーグ百年構想~スポーツで、もっと、幸せな国へ。~」というスローガンを掲げ、「地域に根ざしたスポーツクラブ」を核としてスポーツ文化の振興活動に取り組んでいます。
Jリーグ百年構想
・あなたの町に、緑の芝生におおわれた広場やスポーツ施設をつくること。
・サッカーに限らず、あなたがやりたい競技を楽しめるスポーツクラブをつくること
・「観る」「する」「参加する」スポーツを通して世代を超えた触れ合いの輪を広げること
Jリーグ公式HPより
Jリーグは日本のプロサッカーリーグなので、当然活動の中心はサッカーになります。ただ、Jリーグ百年構想では、サッカーに囚われず「スポーツ」の振興やスポーツを通して世代を超えた交流を増やすことを目指しています。
ホームタウン
Jリーグは、「地域に根ざしたスポーツクラブ」としてスポーツ文化の醸成に貢献するため、クラブチームの本拠地を「ホームタウン」と呼んでいます。「ホームタウン」は、興行活動を独占的に行うことのできる営業権の意味合いが強い「フランチャイズ」と明確に異なります。
Jリーグでは、ホームタウンを次のように定義しています。
ホームタウンの定義
Jクラブと地域社会が一体となって実現する、スポーツが生活の中に溶け込み、人々が心身の健康と生活の楽しみを享受できる町
Jリーグ公式HPより
Jリーグの定義する「ホームタウン」はサッカーを盛り上げることを目標としていません。目指しているのは「地域社会と一体となって」みんなが「心身の健康と生活の楽しみを享受できる町」を実現することです。
Jリーグはこれらの理念に賛同して会員となったクラブによって成り立っています。
Jリーグのチーム名
Jリーグはチームの呼称を「地域名+愛称」としています。これは、Jクラブがホームタウンのシンボルとして存在することに大きな価値があると考えているところに依ります。
Jクラブは、ホームタウンの市民、企業、行政の理解と協力を得ながら活動し、地域と共に成長していくことを目指します。
Jリーグ加盟クラブ
限られた地域にだけJリーグのクラブがあっても「Jリーグ百年構想」は実現することができません。Jリーグのクラブチームや同じ理念をもったチームが全国各地で活動をしていく必要があります。
Jリーグが開幕したのは1993年。この時のJリーグは以下の10チームで構成されていました。
【オリジナル10】
- 鹿島アントラーズ
- ジェフユナイテッド市原
- 浦和レッドダイヤモンズ
- ヴェルディ川崎
- 横浜マリノス
- 横浜フリューゲルス
- 清水エスパルス
- 名古屋グランパスエイト
- ガンバ大阪
- サンフレッチェ広島
それから30年。Jリーグに加盟するクラブは順調に増えています。
2022年には、J1リーグが18チーム、J2リーグが22チーム、J3リーグが18チームと、全部で58チームにまで拡大ています。
1993年のJリーグ開幕当初のオリジナル10は、その大半が関東圏や大都市のクラブでした。発足当初は限られた都市圏にのみチームがあるという状況でしたが、現在では47都道府県のうち、40都道府県でJリーグクラブが地域に根ざした活動をしています。
Jリーグ百年構想クラブ
Jリーグに加盟しているクラブチーム以外にも、さらに下のカテゴリーに「JFL」「地域リーグ」「都道府県リーグ」があります。
これらのチームのうち、Jリーグへの加入を目指しているクラブとして正式に認定されたクラブは「Jリーグ100年構想クラブ」と名乗ることが認められています。
2022年時点では、13チームが百年構想クラブとして認定されており、ほとんどの都道府県でJリーグと百年構想クラブが活動していることになります。
Jリーグクラブのサッカー以外の活動
ではサッカー以外に具体的にどのような活動を行っているのでしょうか。2021年J1リーグを優勝した川崎フロンターレと2022年にJ3に参入したいわきFCをご紹介します。
カテゴリーにとらわれず、Jリーグの理念を実戦しています。
川崎フロンターレ
川崎フロンターレは富士通サッカー部が前身のチームです。1997年にJリーグ準会員となり、川崎フロンターレが誕生しました。1998年にJFL準優勝となり、1999年からJリーグに参入(参入当初はJ2)しています。
「市民・地域に愛され、親しまれ、誇りとなるクラブ」をビジョンとして掲げ、「スポーツの力で、人も、この街を、もっと笑顔に」をミッションとしています。
Jリーグが実施している観戦者調査サマリーレポートにおいて、「ホームタウンで大きな貢献をしている」クラブとして2010年~2019年にわたって第1位となっています。
川崎フロンターレは、選手も参加するユニークなイベントをたくさん開催しています。「サッカー選手がここまでやるの…?」と思えることまでやっています。笑
これは、Jクラブである以上「地域のために存在する」という理念からきています。Jリーグ王者であっても「サッカーだけしてれば良い」という考えはありません。
いわきFC
いわきFCは、2012年に創設されたサッカークラブです。いわき市などをホームタウンとしています。2021年シーズンにJFLを優勝し、2022年シーズンからJ3に参入します。
「スポーツを通じて社会価値を創造する」をビジョンとして掲げ、「いわき市を東北一の都市にする」をミッションとしています。
サッカーで勝利を求めるだけでなく、地域一体となって街そのものが魅力的に成長し発展を遂げることを考えています。
いわきFCは、市民の健康づくりに寄与する活動や、ごみを減らすような活動もしています。
日本サッカーの強化のためだけではないJリーグの意義
Jリーグクラブの役割は、サッカーで観客を喜ばすことだけではありません。
ホームタウンに根付いた活動をして、ホームタウンのシンボルとして地域のスポーツ振興、さらには地域社会の活性化に貢献することが求められています。
あなたの住むまちの近くにもJリーグクラブや百年構想クラブがきっとあります。
あなたの住むまちのチームやあなたの応援するチームは、どのようなビジョンを掲げ、ホームタウンのためにどのような活動を行っていますか?調べてみたらJリーグがさらに好きになると思います。是非とも調べてみて、クラブの活動に協力してみてください♪
それでは、また!
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