アーチやフェンスをバラでふんわり包むように咲かせる――。
ガーデナーなら誰もが憧れる景色ですが、その実現には「誘引」という作業が欠かせません。

しかし…
「誘引って聞くけど、具体的にどう動かせば良いの?」
と不安に感じる方が多いのも事実です。
そこでこの記事では、
つるバラを“本当に咲かせる”ための誘引方法を、実際の経験を基にわかりやすく解説します。
「どの枝を残し、どこを切り、どう固定すれば良いのか・・・」迷っている方はぜひ参考にしてください。
つるバラの誘引が必要な理由
つるバラは「自分で巻き付く植物のではない」
つるバラは名前に「つる」がつきますが、クレマチスやアサガオのように自ら絡みつく特性はありません。
放置すると自由に徒長し、アーチやフェンスとは逆方向へ伸びることもあります。
そのため、人の手でアーチや支柱に枝を誘導し、固定する作業が必要になります。
頂芽優勢の性質により、「上に成長し、花が咲く」
バラには枝の先端から生育か優先される「頂芽優勢」という性質があります。枝がまっすく上に伸びると、一番高い枝に栄養が集中しその先端で花が咲きます。
誘引を行わないと、株の上部に花が集まり、下部には花が咲かなくなります。
そこで、枝を地面と水平(またはやや下げ気味)に誘引すると、株全体に栄養が分散します。
これにより、枝の節々から花芽が出て、アーチやフェンス全体に均等に花を咲かせます。

つるバラの誘因を行う時期
適期:冬(12月〜1月上旬)
つるバラの誘引を行う時期は冬です。バラの休眠期である気温が低い時期に行いましょう。
あまり寒くなると枝が固くなり誘引しづらくなるため、できれば12月中〜1月上旬に行うのがベストです。2月でも作業可能ですが、寒さで枝が折れやすくなる点には注意が必要です。
つるバラの誘引|具体的な方法
葉と蕾を取り除く
まずは枝に残っている葉や蕾をすべて取り除きます。
葉と蕾を取り除く目的
- 枝のラインを見やすくする
- 誘引しやすくする
- 病害虫の温床をなくす

不要な枝を剪定する。
花つきを良くするため、以下の枝をカットします。
- 細く弱い枝
- 混み合う枝
- 古く木質化した枝
- 枯れ枝
思い切りが大事です。
弱い枝を残すと春の開花が全体的に弱々しくなってしまいます。


主枝を「水平」または「扇形」に誘引する
いよいよメインの作業です。
主枝を枝が地面に対して水平になるように固定します。水平に近いほど花芽が増えます。水平にするのが難しい場合は斜め上向きでも大丈夫です。折ってしまうのが一番悲しいですからね。
誘引のコツ
- 枝が地面に対して水平になるよう固定
- 折れやすいのでゆっくり大きく曲げる
- 一本ずつ丁寧に誘導する
- 曲がりにくい場合は、無理せず緩い角度でOK
枝先を10cmほど切り詰める
誘引が終わったら、最後にすべての枝の先を10cmくらい切り詰めます。
これにより以下の効果があります。
- 春の新芽が勢いよく伸びる
- 枝が若返る
- 株全体の開花が揃う

これで、つるバラの誘引は完成です!
まとめ
つるバラの誘引は、次の4つのステップで完了します。
- 葉と蕾を取り除く
- 不要な枝を剪定する
- 枝を水平(または扇形)に固定
- 枝先を軽く切り詰める
見た目は難しそうですが、理屈がわかれば作業そのものはシンプル。
この冬のひと手間が、春の圧倒的な開花につながります。
ぜひ、この記事を参考にチャレンジしてみてください。


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