3月は、ガーデニングが本格的に動き出すスタートラインです。
寒さは和らぎ、植物の芽が一斉に動き始め、植え付けや植え替えの適期が到来します。
ただし、暖かさと同時に遅霜・寒の戻りが起こりやすいのも3月の特徴。
しかし、暖かさと同時に遅霜(おそじも)や寒の戻りが起こりやすいのも3月の大きな特徴です。勢いで作業を進めすぎると、かえってトラブルを招きかねません。
勢いで作業を進めすぎると、かえってトラブルを招くこともあります。3月のガーデニングは、「一気に動かす」のではなく「順番に動かす」ことが成功の鍵です。
この記事では3月のガーデニングの考え方を整理し、やるべき作業、やってはいけない作業、そして3月に選ぶ価値のある植物を具体的に解説します。
「春本番に向けて何をすべきか」「今からでも長く楽しめる植物は何か」といった疑問をお持ちの方はぜひ参考にしてください。
3月はどんな月?
気候の特徴
3月は日照時間と気温が大きく伸び、植物にとって生育のスイッチが入る月です。
- 日中の気温上昇: 暖かい日が増え、体感的に春を感じます。
- 夜間の冷え込み: 昼夜の寒暖差が大きく、特に夜間はまだ厳しく冷え込みます。
- 遅霜(おそじも)のリスク: 春先に油断した頃に霜が降り、新芽を傷つけることがあります。
- 雨の増加: 雨が増え、土が動きやすく(植え替えやすく)なります。
👉 3月は「春本番の直前段階」です。寒さ対策を「減らす」意識が大切です。
植物の状態
多くの植物が休眠から完全に目覚め、根・芽・葉が同時に動き始めます。
- 根の吸収力アップ: 根が動き出し、水や養分を吸収する力が急増します。
- 新芽・新葉の展開: 勢いよく芽を出し始めるため、トラブルのリスクも高まります。
- 肥料への反応: 施肥に対する効果がすぐに出始めますが、与えすぎると徒長の原因になります。
3月にやるべきガーデニング作業
植え替え・植え付け(適期)
多くの植物で根の活動が活発になるため、植え替えのストレスが最小限になります。
- 根詰まり解消: 根詰まりした鉢の植え替えを優先して行います。
- 春花苗の定植: ネモフィラやアリッサムなど、春本番に向けて花壇や鉢に定植します。
- 宿根草の植え付け: 新しい宿根草を迎え入れる良い機会です。
👉 一気にやらず、数回に分け、最低気温が安定した暖かい日を選びましょう。
春肥(元肥・追肥の開始)
植物が養分を吸収できる状態になったら、本格的な施肥を始めます。
- 緩効性肥料を基本に: ゆっくり長く効く肥料を元肥として使います。
- 一年草の追肥: 薄めの液肥からスタートし、生育状態に合わせて調整します。
- 観葉植物: 暖かい日が増える月後半から、控えめに再開します。
👉 「効かせすぎない」ことが重要です。寒い日は吸収力が落ちることを念頭に置きます。
防寒対策の段階的な終了
寒波対策は続けつつ、防寒対策を緩めます。
- 夜間のみの使用: 不織布やカバーは、日中の蒸れを防ぐため夜間のみ使用します。
- 霜予報の確認: 霜予報が確実になくなったら、撤去に踏み切ります。
- 蒸れ防止を優先: 暖かくなった日中は、過保護による蒸れで病気を招かないよう風通しを確保します。
病害虫対策(発生前〜初期)
害虫が動き出す「出始め」を叩く月です。
- 初期確認: アブラムシは新芽の柔らかい部分につきやすいので、毎日の水やり時に確認します。
- 物理的除去: 初期段階であれば、薬剤に頼らず、ガムテープや濡らしたティッシュで拭き取ることが基本です。
- 風通し確保: 葉の整理や鉢の配置換えで、風通しを良くし、発生を予防します。
3月にやってはいけないガーデニング作業
防寒対策を急にやめる
3月は暖かい日が増えますが、遅霜や寒の戻りが突然起こる時期でもあります。
防寒を一気に外すと、動き出した芽や新葉が冷えに当たり、生育が止まったり、葉が傷む原因になります。
👉 防寒は「やめる」ではなく徐々に減らすのが安全です
すべての植物に強剪定を行う
3月は、すでに芽が動き始めている植物が多く、強剪定をすると新芽ごと切ってしまうリスクがあります。
回復に時間がかかり、花数や株の勢いが落ちる原因にもなります。
枯れ枝の整理や軽い切り戻しに留め、強剪定は避けます。
肥料の一斉投入や濃い施肥
植物ごとに生育スピードが違うため、一斉施肥は肥料焼けや徒長を招きやすくなります。
また、寒さの戻りで吸収力が落ちると、根に大きな負担がかかります。
👉 施肥は植物ごと・段階的に行い、液肥は規定量より薄めからスタートします。
植え替えを寒い日に行う
植え替えは根にストレスがかかる作業です。
気温が低い日に行うと、根がうまく動かず、活着が遅れます。
👉 植え替えは最低気温が安定した日を選びましょう。
水やりを夏仕様にする
気温が上がると水を与えたくなりますが、土中はまだ冷えていることが多い時期です。
水を与えすぎると、根腐れや蒸れの原因になります。
👉 水やりは土の乾き具合を見て調整します。
植物の種類別|3月の管理ポイント
一年草(パンジー・ビオラ、ネモフィラ、キンギョソウなど)
やるべきこと
- 花がら摘みと弱った葉の整理で、無駄な消耗を防ぐ
- 薄めの追肥を開始し、花と葉のバランスを整える
- 混み合ってきた鉢は間隔をあけ、風通しを確保する
やってはいけないこと
- 株を小さくする強い切り戻し
- 肥料の与えすぎ(徒長・花付きが悪くなる原因)

多年草・宿根草(クリスマスローズ、ギボウシ、ガウラなど)
やるべきこと
- 新芽の位置を確認しながら古葉を整理
- 植え付け・軽い切り戻しは芽を避けて慎重に
- 株元の蒸れ防止(マルチを軽くずらすなど)
やってはいけないこと
- 芽の確認をせずに行う剪定
- 極端な乾燥・過湿
球根植物(チューリップ、ムスカリ、ヒヤシンスなど)
やるべきこと
- 倒れやすい品種は早めに支柱
- 土が乾いたときのみ水やり
- 花姿が乱れないよう置き場所を調整
やってはいけないこと
- 掘り上げ
- 追肥の多用
- 過湿管理
バラ・低木類(バラ、アジサイ、スピレアなど)
やるべきこと
- 芽の整理でエネルギーを集中させる
- 春肥で生育を後押し
- 枝同士の間隔をとり、風通しを確保
やってはいけないこと
- 芽吹き後の強剪定
- 寒肥の継続
観葉植物(モンステラ、ポトス、フィカスなど)
やるべきこと
- 日照量を段階的に増やす
- 水やりを控えめから徐々に調整
- 葉の汚れを落とし、光合成を助ける
やってはいけないこと
- 低温下での植え替え
- 急な直射日光への移動
3月の植物選びのポイント
根が動き出す植物を選ぶ
春の成長スタートに乗せることで、初夏までしっかり育ちます。
寒暖差・遅霜に耐えられる植物を選ぶ
特に地植えは霜の影響を受けやすいため注意が必要です。
苗の質を見極める意識を持つ
3月は出荷量が多く、
- 徒長した苗
- 根詰まりした苗
も混ざりやすい時期です。
👉
- 茎が間延びしていない
- 葉色が安定している
- 鉢底から根が出すぎていない
この3点を必ずチェックします。
用途(花壇・鉢・寄せ植え)を先に決める
3月は「何でも植えられる」月だからこそ、使い道を決めてから選ぶことが重要です。苗の買い過ぎには注意しましょう。
3月におすすめの植物
ネモフィラ(インシグニスブルーなど)

特徴
淡い青色が人気の春を代表する一年草。ふんわり広がる爽やかな青花が魅力です。
- 3月の成長ステージ:生育初期〜生育期
- 3月の鑑賞ステージ:鑑賞準備期
- 鑑賞最盛期 :4月〜5月
- 流通のピーク:2月〜3月
3月に買うのがおすすめの理由
- 土が温まり、根が張りやすいベスト時期。
- 苗の状態がよく、徒長していない締まった株を入手しやすい。
- 3月植えでも4〜5月にしっかり満開になる。
3月に買う際の注意点
- 暑さに弱く、初夏には一気に終わる。
- 春の長期間の花持ちを求めるなら2月植えの方が長く楽しめる。

アリッサム(スイートアリッサム)

特徴
甘い香りと小花が可愛い春の定番。株が横に広がり、寄せ植えにも活躍します。
- 3月の成長ステージ:生育期
- 3月の鑑賞ステージ:鑑賞安定期
- 鑑賞最盛期:3月〜5月
- 流通ピーク:2月〜3月
3月に買うのがおすすめの理由
- 3月植えは生育スピードが速く、ふわっと広がる形が作りやすい。
- 温度が安定するため、花つきが一気に良くなるタイミング。
3月に買う際の注意点
- 高温多湿に弱く、初夏には弱りがち。
- 大株に仕立てたい場合は10〜11月植えの方が本気のボリュームが出る。

ラベンダー(イングリッシュ系)

特徴
香り高い多年草。初夏に向けて美しい花穂を伸ばします。
- 3月の成長ステージ:生育期
- 3月の鑑賞ステージ:鑑賞前
- 鑑賞最盛期:5月〜6月
- 流通ピーク:3月〜4月
3月に買うのがおすすめの理由
- 3月植えは根の動きが良く、初夏の花に間に合う。
- 寒さがやわらぐため、気温ストレスが少なく、植え替え適期のスタートライン。
3月に買う際の注意点
- 水はけの悪い場所では根腐れしやすい。
- 生育が遅いので、花を早く見たい場合は4月の開花苗の方が確実。

オステオスペルマム

特徴
マーガレットに似た大輪で、長期間咲く強健な多年草扱いの花。
- 3月の成長ステージ:生育〜開花期
- 3月の鑑賞ステージ:鑑賞安定前
- 鑑賞最盛期:5月〜6月
- 流通ピーク:3月〜4月
3月に買うのがおすすめの理由
- 気温が安定し、開花サイクルが整って花上がりが良好。
- 春に出回る新品種が多く、選べる楽しみが大きい。
3月に買う際の注意点
- 暑さに弱い品種は夏越しが課題。
- 夏までしっかり楽しみたい場合は、耐暑性品種を4月以降に選ぶ方が確実。

デージー(ヒナギク)
特徴
愛らしい丸い花が特徴。春の花壇の定番。
- 3月の成長ステージ:生育後期
- 3月の鑑賞ステージ:鑑賞最盛期
- 鑑賞最盛期:3月〜4月
- 流通ピーク:2月〜3月
3月に買うのがおすすめの理由
- 開花最盛期に入り、最も状態の良い苗が揃う。
- 寒さにも強く、初心者が失敗しにくい。
3月に買う際の注意点
- 暑さに非常に弱いため、5月頃に終了しやすい。
- 長期間楽しみたいならローダンセマムを選ぶ方が持ちが良い。
アネモネ(球根植物)

特徴
上品で存在感ある花。切り花としても人気。
- 3月の成長ステージ:開花期
- 3月の鑑賞ステージ:鑑賞最盛期
- 鑑賞最盛期:2月〜4月
- 流通ピーク:12月〜2月
3月に買うのがおすすめの理由
- 苗・開花株ともに出回り、つぼみ付きで選べる。
- 寒さの影響が減り、咲き進みが安定する。
3月に買う際の注意点
- 暑さに弱く、初夏までがリミット。
- 球根を植える場合は10月〜11月が適期。

クリサンセマム(ノースポール)
特徴
白い花がよく咲く春の鉄板。丈夫で花壇に向く。
- 3月の成長ステージ:生育後期
- 3月の鑑賞ステージ:鑑賞最盛期
- 鑑賞最盛期:3月〜6月
- 流通ピーク:2月〜3月
3月に買うのがおすすめの理由
- 3月植えは成長スピードが速く、短期間でモリモリになる。
- 気温安定により花の上がりが一定し、扱いやすい。
3月に買う際の注意点
- 夏前に終了する一年草扱い。
- 冬越しさせたいなら秋植えの方が確実。
ローダンセマム(アプリコットジャム系など)
特徴
可憐なのに耐寒性があり、春から初夏まで長く咲く多年草。
- 3月の成長ステージ:生育期
- 3月の鑑賞ステージ:鑑賞前
- 鑑賞最盛期:5月〜6月
- 流通ピーク:2月〜3月
3月に買うのがおすすめの理由
- 春に向けて最盛期に入るため、株の仕上がりが良い。
- 暖地では冬越し苗も出回り、選択肢が豊富。
3月に買う際の注意点
- 多湿に弱く、梅雨が苦手。
- 夏越ししたいなら風通しの良い場所が必須。
まとめ
3月は「春本番への助走期」です。
寒さが緩み、植物が一斉に動き出すこの時期は、植え付けと苗選びの成功が、その後の庭の姿を大きく左右します。
寒暖差と遅霜にだけ注意しながら、「順番に、無理なく」作業を進めることで、春から初夏の最も美しい時期を最大限に引き出すことができます。
ガーデニングシーズンのスタートを、ぜひ楽しんでください。



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