ペチュニアとよく似た姿をしながら、まったく別の魅力を持つ花——それが「カリブラコア」です。
かつてはペチュニアと同じ属に分類されていましたが、性質の違いが明確になったことから1990年代に独立した新しい園芸植物。その後の品種改良のスピードは目を見張るものがあり、今では春～秋のガーデニングに欠かせない存在になりました。
この記事では
特徴・花言葉・ペチュニアとの違い・おすすめ品種・育て方（摘芯/切り戻し/夏越し/冬越し）
をまとめて丁寧に解説します。
カリブラコアはこんなお花
カリブラコアの基本情報
カリブラコアは1990年頃にペチュニアから独立した新しい園芸品種です。もともとはペチュニアと同じ種類のお花として取り扱われていました。近年、すごいスピードで品種改良が進み、春～秋のガーデニングの定番となっています。
- 科 属：ナス科カリブラコア属
- 開花期：4月〜11月
- 原産地：南アメリカ
- 学 名：Calibrachoa
原種は南米の岩場など、乾燥気味で風通しの良い場所に自生しており、この性質が現在の園芸品種にも受け継がれています。
カリブラコアの花言葉
カリブラコアはもともとはペチュニアと同じルーツを持つため、ペチュニアと同じ花言葉がつけられています。
- 自然な心
- 穏やか
- 心が和らぐ
- あなたといる安らぎ
やわらかな雰囲気を持つ花姿にぴったりの言葉ばかりです。
カリブラコアの特徴
小輪の花が溢れるように咲く
直径２～３㎝の小花を咲かせます。近年では八重咲き・アンティークカラー・グラデーション色など、表情豊かな品種が急増。寄せ植えはもちろん、ハンギングでも圧倒的存在感です。
カラーバリエーションが豊富
カリブラコアはカラーバリエーションがとにかく豊富です。ペチュニアでは見られないビビッドなオレンジ、チョコレート色、くすみ系カラーなどが充実。
「色合わせの自由度」が高く、花壇・寄せ植えの主役にも脇役にもなる万能選手です。
雨にも強く、丈夫で育てやすい
カリブラコアは高温・多湿・雨に比較的強く、初心者でも扱いやすいのが特徴。
ただし、根が細いため過湿には弱いので、水やりや用土は“乾燥気味”の意識が必要です。
多年草だが日本では一年草扱いが基本
多年草としての性質が強いため、寒さ対策を行ったり、挿し芽をしたりすることで冬越しも可能です。ただ、冬越しさせたとしても翌年の花付きが落ちることがあります。基本的には１年草として扱います。
ペチュニアとの違いは？
| 比較項目 | カリブラコア | ペチュニア |
| 花径 | 2〜3cmの小輪 | 中〜大輪 |
| 花がらのベタつき | ほとんどなし | あり |
| 雨への強さ | やや強い | 弱い品種が多い |
| 株姿 | こんもりまとまりやすい | 伸びやすく乱れやすい |
| 花がら摘み | ほぼ不要 | こまめに必要 |
シンプルに言えば、「花が小ぶりで管理がやさしい」のがカリブラコアです。
カリブラコアのおすすめ人気品種
ミリオンベル
SUNTORY FLOWERSさんから発売されているカリブラコアです。花色が豊富でアンティーク調の色も発売されています。「プチホイップ」という八重咲きの品種もあり、花色だけでなく花姿もバリエーションが豊富です。
スーパーベル
PROVENWINNERSさんから発売されているカリブラコアです。種類が豊富で生育も旺盛。摘芯や切り戻しなどを行わなくてもこんもりもきれいに育ちます。
ぐんぐん大きくなるカリブラコア
コメリさんとPROVENWINNERSさんのコラボ商品です。圧倒的な生育力で、最大で直径約1.5ｍまで成長します。
カリブラコアの育て方
栽培環境
- 日当たりと風通しの良い場所が最適
- 日照不足は花付き低下の原因に
- 真夏は西日を避けられる場所が理想
植え付け
カリブラコアは乾燥気味の環境を好みます。そのため、水はけの良い土に植えつけます。
● 鉢植え
- 市販培養土に赤玉土＋腐葉土を約3割混ぜて水はけ改善
- 緩効性肥料も元肥として入れておく
● 庭植え
- 植え付け場所の土を深めに耕し、腐葉土をしっかり混ぜ込む
- 元肥として緩効性肥料を施す
水やり
● 鉢植え
- 土が乾いたら、鉢底から水が流れるまでたっぷり
- 過湿は根腐れの原因に
- 特に梅雨〜夏は水の与えすぎに注意
● 庭植え
- 植え付け後2週間はしっかり水やり
- 根付いたら、基本的に雨任せでOK
- 乾燥で葉がしおれた場合のみ追加
肥料
• 液肥を7〜10日に1回程度
• 開花期が長く、肥料切れすると花数が急激に減る
• 元肥の緩効性肥料は夏頃に効きが弱まるため必ず追肥を
摘芯（ピンチ）
植え付け後２～３週間は、徒長気味の伸びた枝の先端をカットします。これにより、枝分かれが促され、葉や花の数が増えてこんもりとまとまった株に育ちます。
切り戻し
カリブラコアは４月から11月くらいまでお花を楽しむことができます。ただ、放っておくと花付きが悪くなり、枝の木質化も進んで株が乱れます。カリブラコアの株が乱れて花付きが落ちてきたら鉢の縁に沿って思いきって切り戻します。
切り戻しをする時期の目安としては、梅雨前と８月頃です。
夏越し
カリブラコアは夏の暑さに強いため、夏越しの作業は特に必要ありません。ただ、以下の対策を行うことで株へのダメージを減らせます。
- 真夏の西日を避ける
- 水やりは朝の早い時間に（日中の水やりは高温で株が弱る）
冬越し
寒さにはペチュニアよりやや強い程度です。関東以北では屋外冬越しはかなり難しく、基本は一年草扱い。
もし冬越しするなら：
- 霜の当たらない軒下
- もしくは室内の明るい場所
- 挿し芽で更新するほうが成功率が高い
冬越しさせた株は翌年の花付きが弱くなるため、挿し芽更新がおすすめです。
まとめ
カリブラコアは
「小輪多花・丈夫・色幅が広い」
三拍子そろった春〜秋の主役級の花。
ペチュニアより管理が楽で、寄せ植え・ハンギング・花壇など用途を選びません。
摘芯・切り戻し・肥料管理を適切に行えば、
1株で長期間ふんわりと咲き続けてくれます。
ぜひこの記事を参考に、あなたの庭やベランダでも
**「カリブラコアのある華やかな景色」**を楽しんでください。
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